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自己保持回路

自己保持回路の失敗

 自己保持回路で最近経験した失敗例です(笑)

とある組立設備の改造を依頼されて、その要望通りにシーケンス制御を改善して、現場の立会いをお願いした時の話です。

平日に動作確認をすると、何らかの支障があった場合に生産に影響を与えるので、その日は現場の人にも立会いをお願いしての、動作確認となりました。

お昼くらいに動作確認をする計画だったので、現場の人はその時間に休日出社をしてもらって、一緒の動作確認をしたのですが、どうも思ったように動きません。

シーケンス制御のプログラムは完璧だと自信を持っていたので、ラダー回路図を斜め読みしながら、バグを探していきましたが、どうしても原因が分かりません。

動作が異常になる箇所にターゲットを絞っていろいろとトライアルを実施しても、どうしても思うように動きません。

そうこうしているうちに、夕方になり夜中になり、結局は朝方に原因が特定できて、それを解消できましたが、原因は自己保持回路の欠点でした。

自己保持回路は「入れるのが当り前」って考えでいるので、その部分のチェックを誰もしなかったことから、こんな結末になってしまいました。

これも基本を疎かにした事例だといえますが、プログラムを組む場合に、難しい部分は設計者も注意をするので、動作に不具合があると、どうしてもその難しい部分に関心がいってしまうものです。

ですから誰もが自己保持回路なんて基本的な部分には、注意がいきわたらなかったんですね。

自己保持回路はシーケンス制御を学ぶ場合に最初に教わる基本ですが、いつしかそれを忘れてしまう場合もあります。

基本は簡単に思えますが、それを忘れないようにしないとダメですね。


自己保持から転職展望

 自己保持回路はシーケンス制御の基本ですが、この基本から新たな人生がスタートする場合もあります。

 自己保持回路は製造設備の設計や製造を業務とする人にとっては、知っていて当たり前の知識ですが、この知識を追求していくことにより、転職にも有利になる場合があります。

時には転職どころか、自分で会社を設立することが可能になる場合すらあります。

電気技術者はこれからの日本の製造業にも絶対的に必要な存在ですが、段々とその人材が少なくなってきているように感じます。

設備の製作会社でも機械系の設計者はいくらでもいますが、電気回路の設計をする人材は足りないのが現状だと思います。

自分で実配線をして、ラダー回路を組んで、その動作を確認しながら完璧な動作に仕上げていくには、相当な知識と技能が必要になります。

今の時代は大勢が設備の完成まで担当するよりも、少数精鋭で仕上げていくのが当たり前になっているので、電気配線からプログラムをラダー回路で組んで、お客さまが求める機能を満足するのが一般的だといえます。

そんな高度なスキルを持っている人材も、最初は自己保持回路の習得から始まるものです。

シーケンス制御の基本となる「動く」、「止める」、「待機する」は最初に覚えるべきもっとも大切なことだといえます。

自己保持回路を疎かにする人には、正い動作をする回路は組めないとも断言できます


基本だからこそキチンと覚えましょう。


自己保持回路からの資格

 自己保持回路を覚えようとしている方には、機械保全技能士の電気系を受験しようと思っている人もいると思います。

この資格は2級と1級があり(2007年現在)、その内容は相当に難しいものとなっています。

どちらの技能検定も自己保持回路といった基本とはかけ離れて、タイムチャートからの実配線とラダー回路の作成と、故障診断のスキルが求められます。

こういうと、自己保持回路は必要ないと考える方もいるかもしれませんが、「入れる」、「切る」、「保持する」はシーケンス制御の基本ですから、まずはこの基本から習得するのが国家資格合格への近道となります。

自己保持回路は考え方としては簡単ですが、実際に回路を設計する場合に忘れやすいという性質を持っています。

その影響が設備の動作にも出てくるのですが、設計した本人は「正しくプログラムを組んだ」と思い込んでいますから、間違いに気づきにくいものです。

ですから設計の段階でキチンと考えておかないと、後でプログラムの間違いを見つけるのに苦労したり、無駄な時間を費やすことにもなりかねません。

どんなスキルでもそうですが、基本をキチンと習得しておかないと、狙いとした設計は難しいと思います。

自己保持回路は、知識としては簡単な部類に入るので設計の時に見逃し易いかもしれませんが、それを抑えるような思考回路を自分自身に組み込んでおかないと、初歩的なミスを繰り返すことにも繋がります。

自己保持回路、キチンと覚えましょうね。


自己保持回路で国家資格と転職

 自己保持回路を覚えようとしている方は、設備の設計や製作関連の仕事に関わっていると思いますが、回路設計に関する国家資格としては「機械保全技能士(電気系)」があります。

この電気系には2級と1級がありますが、1級になると割りと難関になってきますが、技能検定を受講する人は増えています。

自己保持回路は、設備のシーケンス制御のプログラムを考える上でも必要な知識ですが、これらの回路設計の知識を得ることによって、自らのスキルに与える影響は実は大きいといえます。

国家資格の電気系は難関としても知られているので、これの合格することにより、社内での認知度が上がることが期待できるし、さらにいうと、この資格を持っていると転職でも有利になることがあります。

日本は製造立国と言われいますから、製造現場での改善や設備の内製は当り前ですが、実際に設備を作る際にネックとなるのが、電気全般の設計者だったりします。

機械保全技能士(電気系)の資格を持っていると、設備の電気設計に対しての知識があると認定されるわけですから、こういった人材を求めている会社にとっては、「喉から手が出るほど欲しい人材」ということになります。

こういった「他企業からも必要とされる人材」となる第一歩が、自己保持回路の習得だったりします。

電気回路は目で見ても分からないため、基礎知識をしっかりと習得しないと、上手く動作しない場合の原因究明にも時間がかかったりします。

自己保持回路とは、基本として覚えることが大切な知識です。


自己保持回路

自己保持回路は基本です

 自己保持回路を組む時には、自己保持回路は基本中の基本となります。

自己保持回路を「保持する」と表現し、その他にも「入れる」、「切る」、といった3つの条件を組み入れることが回路の基本となります。

これはラダーのみならずリレーシーケンスでも同様で、設備を設計・改造する人で電気に関わる人なら誰でも理解していると思います。

絶対に忘れてはいけないのが「切る回路」ですが、これは割りと注意するので失敗は無かったりするし、「入れる」も起動の条件としては注意するので、あまり忘れることはありません。

でも自己保持は忘れ易いので注意が必要なのですが、これを忘れると設備が思いもよらない動作をしたりしますが、その原因には気が付かなかったりするものです。

製造会社で設備の設計や製造をしたりする業務に関わっている人は、電気の知識やこれによって作動するアクチェーターの機能・構造に対する知識も必要になったりします。

アクチェーターは空圧か油圧ですが、その動作を制御するのがラダー回路で、実配線を含めての制御全体をシーケンス制御と呼んだりします。

シーケンス制御とは「順次動作」を表すもので、プログラムされた通りに順番に動作するという意味です。

このシーケンス制御を確実なものとするためにも、自己保持回路の理解は必要となりますので、基本中の基本ですがしっかりと覚えておきたいものです。